typolayout
typolayout
design

2012年に読んだ本

ここのところすっかり更新しない状態が続いていました。見てみると最後にカレンダー以外で更新したのは夏、それも暑中見舞いアップのお知らせだけ。 DSC_0024.jpegここ2年は子供が生まれたというのもあって、ゆっくり本を読んだり、映画観たりという時間がほとんどなかったんですが、ようやくいろんな事が落ち着いてきて映画を観たり、前まで自転車通勤だったのが電車で1時間の遠方に引越して通勤電車で本を読んだりという時間を持てるようになり必然的にインプットする事が多くなりました。

観たり読んだりをする機会は増えたもののそれについて文章でアウトプットする習慣がまったくなくなってしまったので、ただ観ただけ、読んだだけになりがちでした。
歳のせいか内容を忘れる事も多いのでこれはいかんと思い、再び文章によるアウトプットに時間を割こうと思い久々の文章書き。
今回は2012年に読んだ本についての簡単な感想にしておきます。

昨年読んだ本で印象に残ってるのは何かなと考えてみると、前半の事はほとんど覚えていない、というか6月に引越ししたのでたぶんあまり読んでいない。
後半はといえば、結局再読した本が多かったので今これというのはないですが印象に残ってるのは

トリツカレ男
ラビット病
イニシエーションラブ
ぼくは模造人間
69
戦後史の正体

トリツカレ男 (新潮文庫)  いしいしんじ
その時々でなにかに熱中する男が女の子に恋をする話。
思い込んだら体格が変わってしまったり、主人公と女の子の童話のような性格のストレートさが面白かった。

ラビット病 (新潮文庫) 山田詠美
友達に借りた本、エッセイのような軽さで一気に読んでしまいました。著者がモデルだそうですが、ラブリーな二人の生活は読んでて楽しいです。

イニシエーション・ラブ (文春文庫) 乾くるみ
ネタバレになるのであまり言えないのですが、途中で若干違和感を感じてしまったので読み終わったあとのやられた!感が少し少なかった。

1Q84 BOOK 1  村上春樹
最後が今ひとつ良くわからなかった、もう一度読めばもう少し理解出来るのだろうか。
80年代の雰囲気。

僕は模造人間 (新潮文庫) 島田雅彦
家にあった本を読んでいた中でかなり当たったと思った作品。自らを模造人間と称し、生に興味がなく、常に斜め目線で世の中を眺める主人公の少年が生に執着する瞬間までを描いた物語。シニカルな内容が続く中、山登りのシーンは感動的ですらあります。

69 sixty nine (集英社文庫) 村上龍
タイトルも装丁も好きで中身は大槻ケンヂかと思うような青春もの。

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
元外交官の  孫崎が敗戦から現在に至るまでの日本の歴史をアメリカとの結びつきに重点を置いて書いた歴史本。
普段の生活で感じる事はあっても、なかなか実感のわかないアメリカの影響がここまで深刻なのか少しわかる書籍。
特に第二次世界大戦でアメリカが日本に敷こうとした統治形態、共用語を英語としアメリカ人への治外法権の全面的な付与など実現していたら今の日本がなかったであろう施策が一人の日本人によって防がれたことや、アメリカと対等に渡り合い剛腕と言われた吉田茂が実はアメリカの言いなりになっていただけだった、戦後40年で日中国交正常化を達成した田中角栄がなぜ失脚したのか。
アメリカの日本の政治への影響力を通して日本の今の政治が見える本です。

珍品堂主人 井伏鱒二

骨董にまつわる随筆集「文士と骨董」で気になった井伏鱒二の傑作。

泰秀雄という骨董屋がモデルの小説。

骨董という浮世離れした題材でありながら、登場人物が骨董を愛でる様子はとても生々しく、逆に人間描写は小説的です。

「文士と骨董」で各文士が取り上げているエピソードが随所に出てくるように、小説でありながら事実に基づいた話が多く、特に骨董につきものと言われる、偽物や騙すだまされるの下りや骨董を手に入れるまでの話は、井伏鱒二自身近いところにいなければ表現できなかっただろうと思われる、妙があります。   

kottou.jpg骨董狂いが骨董を愛す様、その描写がこの本の見所の一つで、珍品堂の友人青田五郎(モデルは青柳瑞穂)が能のお面を見つけてきたりだとか、大和古印だと思っていたものが、実は醤油屋の印鑑だったりなど、掴む掴まされるの話が随所におりこまれていますが、「文士と骨董」でも取り上げられているエピードが多く、その辺りの話は「文士と骨董」の方が広く書かれているのでそっちの方が読み応えはあります。

しかし、珍品堂が一年発起して途上園という会員制の料亭(星ヶ丘茶寮?)を開店し、お店で使う器作りから食べ物に対する凝り方の細にわたった描写と、途上園の女中、利根にいたずら心を抱いたことからはじまった、蘭々女(北王子魯山人?)とのあまりにも静かな戦いと、感動的ですらあるあっけない幕切れなどエンターテイメント性も多く、ジェットコースターのごとく一気に読み切ってしまいました。

※写真は全然関係ない道で拾って来た鍋敷?の様なオブジェ


bunshi.jpeg文士と骨董 やきもの随筆 (講談社文芸文庫)
森光一編
文庫: 272ページ
出版社: 講談社 (2009/4/10)






chinpindoo.jpeg珍品堂主人 (中公文庫)
井伏鱒二
文庫: 162ページ
出版社: 中央公論新社 (1977/01)

青山二郎 「眼の哲学 利休伝ノート」 後編

青山二郎「眼の哲学利休伝ノート」前編の続きです.

まず「珍毛唐」という青山二郎が観察した賭博のさわりの説明からはじまるのですが、「珍毛唐」の内容に関してはしては読んでもあまり理解できませんでし た。
というのもなにかを 人に理解させるための説明文的なものはこの人の本では基本的にあまりなく、「珍毛唐」に関しても青山自身が観て感じたことを思いつくままに書いてあると 言った感じです。
この辺の文章からも理論的分析をある意味排除しているかのような印象を受けます。

観察から「珍毛唐」に入った青 山二郎が、今度は賭場に出入り している若者にお金を持たせて代わりに賭けさせてみるのですが、その辺からがこの人のすごいところで、多分少なくない額のお金を見ず知らずの若者に渡しな くなるまで使わせてしまう。

もちろんそのお金は返ってこず、さらに別の日、また別の日と何度も同じ若者にお金を渡しやらせてみる、当然毎 回お金は返って こない、挙げ句の果てには自分でも張りはじめ自分が稼いだ小銭をそっくり代打に渡しまだやらせてみる。
最後には借金を作って帰ってくる。

こ れで青山二郎が何を得るかといえば、簡単にいうと「遊び」でしょうか。

冒頭にも茶碗と一夏のヨット生活を交換したくだりが書いてあった り、友人と飲みに行く為に一晩の飲み代とコレクションしている器を交換してしまったりと、収集家としての顔をもちながらも集めた物に執着する様子はなく、 その場で起きている「遊び」に熱中する。

物を見るというよりは損得考えずに「遊び」にどっぷりつかって体験する、これが青山二郎の「物」 がよく見える秘密なのかもしれません。


114V5PAHMCL._SL500_AA300_.jpg眼 の哲学・利休伝ノート (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
  • 文庫: 254ページ
  • 出版社: 講談社 (1994/3/4)


青山二郎 「眼の哲学 利休伝ノート」 前編

とにかく物がよく見える人ってのがたまにいて、自分はなかなか物が見えないたちなのでそういう人にまれに出会うと本当に尊敬してしまう訳なんですが。

aoyama.jpgとはいえ、この人ほど物がよく見える人には多分出会った事がないだろうと思われるのがこの青山二郎という人で、もちろんぼくは会ったとこがないのでこの人が実際どれぐらいものが見えていたかはあくまでも自分の想像の範囲内の事ですが、この本で書かれている事を読む限りやっぱり青山二郎という人はそうとう「物」が見えていたようで。

そもそも「物」が見えるのがどういう事なのかという話になると思いますが、観察眼とか審美眼とかいわゆる「眼」をつかって「物」を捉えて経験と知識で判断するものだと考えがちですが、この「眼の哲学」のなかで

「知り過ぎる程知っている友達の顔を、突然そこに見ながら、呆然と彼は一個の人間の顔を眺め出します。何の観念も働いていません。〜中略〜眼玉が私でなければなりません。下等動物のような眼が、自我を持たぬ眼玉という私に変じます。「黙って坐ればピタリと当てる」眼です」

と言い、眼玉を頭の忠実な従僕として扱い、経験と知識で物事を判断する事を否定しています。

だからといって青山二郎が本当に経験と知識に依らず物事を判断していたかと言えば絶対そうじゃなく、というよりむしろこの人のすごいところは、兎に角興味があることはなんでもやってみて自分が「分かってみる」までやりとおして深い体験として体に染み付かせているところじゃないでしょうか。

この本の中でも「上州の賭場」「博徒風景」のなかで「珍毛唐(ちんけいとう)」という賭博の観察記とでもいう物が書かれているのですが、青山二郎がどうやって物を体験して見ているかがよく描かれています。

長くなりそうなので後編へ続く。

114V5PAHMCL._SL500_AA300_.jpg眼の哲学・利休伝ノート (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
  • 文庫: 254ページ
  • 出版社: 講談社 (1994/3/4)


2009

2009もいろいろありました。
いろいろあったわりにはあっという間に1年過ぎて、今年の頭にあった事がもう2,3年前のことの様な気すらします。

今年あった一番大きな出来事といえば「偉大なる私事」なんでしょうが、それがまさに今年の事かどうかも危うい感じです。

あと、今年はとにかく30年以上生きて来て間違いなく一番体の調子が悪かったです、というか体にガタがでてきたのか、朝起きれない程の頸部の痛みを覚えた六月ぐら いから、肩、腰、肩甲骨と立て続けに痛みが広がり、ここ2ヶ月ほどは落ち着いているものの確実に衰える自分の肉体をまさしく肌で感じながら来年からは自分 の行動スケジュールに「運動」を取り入れねばと思う2009年の大晦日です。

2009年に聴いた音楽、観た映画、読んだ本、で一番はなにかなあと思っていたんですが、音楽は間違いなく三宅純の「stolen strangers」ですね。

映画はいろいろあったけど後半にきてかなりやられてしまったので「this is it」すかね。

で、本が全然覚えてない(笑)というか多分あんまり読んでないです、今年は特に。
なんとなく割と最近読んだので覚えてるのが、カフカの「断食芸人」とカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」ですが両方とも面白かったけどほんとに今年読んだのかというぐらい印象を置いて来てしまった気がします。

この辺の映画や本に関する記憶力がどんどん悪くなっている気がするので、その辺もしっかりはっきりぱりっとさせたいところです。

なにはともあれ来年こそはひとつ何かやってやろうと思ってますので、2009お世話になった皆様方、2010年も何卒一緒に遊んで下さい、よろしくお願いします。

ueno.jpg


2 3 4 次の5件
design

気になったもの、ことを徒然なるままに書いています。

Category

recommend
    recommend
    Loading
    design

    TYPOLAYOUTのデザイン活動をお知らせしています。
    お仕事の依頼も承っております。

    eclipse主催公宴“太陽が熱すぎたから” フライヤー

    <SMTCollectedAttr attr= イベントフライヤーを製作しました。
    design

    ダウンロードして使うカレンダーなどの配布をしています。

    Free Simple Color Calendar

    design

    土日祝日が色分けされたベーシックなシンプルカレンダーです。文字が大きく見やすく据え置きに便利です。

    Free Simple Calendar

    calendar

    スミ一色のシンプルなカレンダーです、書き込みスペースを広くとってありスケージュール管理にもお使いいただけます。

    recommend

    利用規約

    ・当サイトのPDFを使用した事によって生じたトラブル等、いかなる損害に対しても当サイトは一切責任を負いかねますので予めご了承下さい。

    ・ダウンロードしたPDFファイルを無断で再配布すること禁止します。

    Copyright ©2007-2013 anonymeAll rights reserved.